私の見つめる先には10本のピンがキレイな三角形を作って並んでいました。周りからはピンの倒れる音や子供たちがはしゃいでいる声が賑やかに聞こえています。

私は小さな子供が両手で投げる様に、股の下から両手で勢いよくボールを投げました。投げたつもりでした…( 一一)ボールは「ドン」と音をたてながら、私の足元へと転がっています。

すると隣でボーリングを楽しんでいた子供の一人が、ことらを指さして笑っています。その子は母親らしき人に注意されていましたが、そのことが余計に私を恥ずかしめました。周りの音は一瞬にして遠ざかり、後ろを振り向くことも出来ずに突っ立っていました。

彼とお付き合いを始めて2カ月目のことです。その日は、初対面の彼の友人とその彼女と一緒にダブルデートに来ていました。彼に友人を紹介されるのは初めてで、どうしていいか分からず彼の後ろに隠れるようにしてその日を過ごしていました。その中でボーリングはランチをしたりゲームセンターなどで遊んだ後の出来事でした。

私がレーンの前で立ち尽くしていると、彼が慌てるように駆け寄ってきてくれました。そして優しくボーリングの投げ方を教えてくれたのです。

彼の顔は赤く引きつった笑顔で、恥ずかしく感じていることがすぐに伝わってきました。彼は体裁を気にする人で、失敗して人に笑われることが大嫌いな性格の持ち主でした。

その性格を知っていたこともあって、彼の顔をまともに見ることが出来ません。普通の女の子なら、可愛らしく照れ笑いしながらその場の空気を和らげることができるのでしょう。

しかし私は喜怒哀楽を表に出すのが苦手な性格で、リアクションをとることが苦なのです。なおかつ、なぜあの様な股から両手で投げる方法を選択したのかが未だに分かりません。投げ方を知らなかった訳でもありませんので、普通に投げることも出来ました。

私の失敗は、彼のことを考えずに行動していたことだと思います。人見知りの私は自分のことばかりで、彼の自慢になるような彼女を演じることが出来ませんでした(>_<)そしてボーリングでの謎の行動。20代前半の話ですが、思い出すだけで体が冷えてくる様です。

その後、彼と結婚したもののボーリングには一度も行っていません。